「Q & A コーナー」

このサイトはお客様とのインタビュー形式でヒロのアコースティックギターに対する思いを伝えたいコーナーです。
少々長いですが読んでみて下さい。お客様のギター・ライフに少しでもプラスになれば幸いです。

 

Q1   よいギターとはどんなギターの事を云うのですか?

A1    「よい」という判断基準はひとり、ひとりのプレーヤで異なる筈です。
     例えば、経験の浅い初心者と訓練された熟練者とでは全く異なると思います。
     求める音のレベルが違うと言っても良いでしょう。

                 また、音楽にはいろいろなジャンルがあります。
     各々のジャンルにより適応した音もある筈です。

                 そういう意味では「より適応した音」が良い音だと言えます。
     そして最終的には「好き・嫌い」も音選びには重要なファクターです。
     ですから一概に、これが「よいギターだ」とは言えないものなのです。

 

Q2    それではヒロさんが思う「よいギター」とはどういうギターを指すのですか?
A2    最近、「よいギターとは?」の質問を受けた時に、逆にお客様へ問い返します。
    「よいギターとは良い音のするギターという意味ですか?」と。
     答えは大概「はい」です。
     次に、「では、よい音のするギターという意味での「よい」とはどう云う事ですか?」と問います。
     決して意地悪で質問している訳ではないのですが、お客様にとっては大変難しい問いのようです。
    「よい」という形容詞は、音や音を出す道具としての楽器の能力を表す時に気軽に使うのですが、非常に曖昧です。
      要は、各人にとって「都合の良い事柄」が満たされている事が「よい」という言葉に集約されているように思われます。
      例えば、オールドギターでは生まれ年が同じ物、お気に入りのプレーヤが使っているのと同じモデル、

                  自分の予算内に納まる物、材質がハカランダがベストだから、等々です。

                  勿論、個人の嗜好ですから、何ら文句の言いようもないのですが、
    「音を出す道具としての楽器(ギター)」を選ぶ場合、違うように思います。
      例えは、次のような質問をしましょう。これらはギターの能力として、と云う意味での質問です。
   
    (1) 大きな音が出るギターと小さな音しか出ないギター。 どちらがいいですか?
    (2) こもった暗い音と澄んだ明るい音とでは、どちらがいいですか?
    (3) 濁った音と濁らない音とでは、どちらがいいですか?
    (4) 響くのと響かないのとでは、どちらがいいですか?
    (5) 音が伸びるのと伸びないとでは、どちらがいいですか?
    (6) 音の立ち上がりがよく、減衰音がなだらかなのと、
              立ち上がりが悪く、音が詰まっていしまうのとでは、どちらがいいですか?
    (7) 低音ばかり、或いは高音ばかりが強調され、所謂バランスが悪いのと、
                                各絃が均等に鳴る、所謂バランスがいいのとでは、どちらがいいですか?
    (8) 絃高が低いのと、高いのとでは、どちらがいいですか?

 

Q3   答えは明白だと思うのですが、、、凄くシンプルですね。
     もう少し具体的に(1)~(8)までの質問に含まれている意味を言って頂きたいのですが。

A3    (1)~(7)は音に関する事です。

                   これらの要件を満たす言葉としては「レスポンス(反応)が良い」と云う表現が適切かと思います。
       そしてこれらの要件を満たすギターがヒロの思う「いいギター」と言えます。
       ギターを弾くという事は「筋肉運動をする」と云う事です。

                    無駄に力まず、肩の力を抜き、スムーズな動きが出来ることが肝要です。
        反応の鈍い(音が出難い)ギターを使うと、大きい音を出そうとして無理な力を入れてしまい、

                    右手の動きが硬くなってしまいます。
        右手が硬くなってしまうと、左手の動きも同時に硬くなってしまうのです。
      (8)の答えともなるのですが、絃高が低ければ低い程、絃を押さえるのが楽になります。

                    つまり、力まずに済みます。
         左手が力めば、右手も硬くなります。

                    ギター演奏上に於いても、スムーズな演奏に支障が出ると言えます。
         つまり、「反応の良いギター」と「弾き易いギター」は例えれば「車の両輪」です。

                    どちらも大事なことです。

 

Q4       よく判りました。

                   でも、ヒロさんがおっしゃる「いいギター」はオール・マイティ―(万能)なのですか?

A4       ギター音楽には多くのジャンルがあります。

                    ソロ演奏や歌の伴奏そしてバンド演奏等があり、各々により適した音が求められます。

                    ですから、万能ではありません。
        しかし、ある程度はプレヤーの能力次第というか、

                    所謂、テクニックでサスティーンの制御、消音でカバーし、適応させることは可能かと思います。

 

Q5       それは各ジャンルが求める音とかを考慮すると、数多くのギターが要るという事ですか?

A5       そうとも言えるし、そうではないとも言えます。

                    一つ言えることは「貴方はどうしたいの?」と云う事です。

                    数多く揃えたいと思えば、そうすればいい。
        でも、凄い出費です。

                    それが無理であれば、自由になる事です。

                    音楽はその人が思うようにやればいいのです。

                    只、無原則という訳には行かない。
        西洋音楽をする限りはルールというか制約があります。

                    譜面に表れる譜割、拍子です。簡単に言えば、リズムがしっかりとしていれば善しとしますが、
        生易しい物ではありません。訓練が必要です。

                    それと、おたまじゃくしは音の長さしか表していませんね。
        もしおたまじゃくしに色が在ると思った方が面白くありませんか?

                    それがいろいろな楽器が持つ音質・音色だろうと思います。

     例えばナイロン絃のギターです。

     鉄絃は硬い。ナイロン絃は柔らかい。真逆ですね。

     でも、この音色の違いを利用しないなんて、もったいない話ですよ。

     アコースティック派からすれば先ず「あのネックでは弾けない!」となる。

     クラッシックギターをイメージするからですね。だったらネックを改良して、弾き易くすればいい。

     こういった事を考慮して行かない限り、音楽や楽器の進歩なんてあり得ない事です。
       

     もう一つ、ジャンルの求める音に関しての事なのですが、

                    この問題は多くのプレーヤにとっては非常に難しく、厄介な問題です。
        それは、各ジャンルには多くのスター・プレーヤー、

                     所謂レジェンドと呼ばれるプレーヤーがいるという事です。

                    そして、音源も存在し続けています。
        これらの音源はファンにとってはバイブルの様なものですで、容易に覆すことは出来ません。

                    また、覆す必要もないでしょう。
        そこで使われている楽器に憧れるのは当然です。

                    ヒロも若い頃にはそうでしたし、コピーに明け暮れたものです。
        でも、今は考え方が少し変わりましたね。

                     要はレジェンド達のコピーに徹するもいいし、

                     また違う解釈でプレーヤー個人が遣りたい方向に向かえばいい。
         音楽は自由なんだから、フィルターを被せずに自分なら「こうする」「こうしたい」と思って音楽に取り組み、

                     練習することが大切だと気付いたからです。
        そうすると、そこから新しい何かが生まれるかもしれないじゃないですか。

                    そんな楽しいことはないでしょう。
        その楽しさのお手伝いするのがヒロの仕事だと思うようになりましたね。

 

Q6        各々が自由になる事か、、、いいお話ですね。

                     少し話が変わって申し訳ないのですが、
                  最近ヒロさんがエレアコを開発されたと伺ったのですが、本当ですか?
         また、それはどうしてですか? 

                     ヒロさんはアコースティックだけだと思っていたのですが。

A6        もう昔の話になりますが、1983年頃に内蔵ピックアップを開発したんですよ。

                     恐らく当時は誰もやっていなかったと思います。
        だから自分自身ではピックアップに対するアレルギーなんてものは全くありません。
                  実は5年ほど前にあるお客様から「鳴るエレアコが欲しい」という依頼があったのがきっかけです。
         そのお客様はフィールズをマイクを立ててステージで使われていたのですが、

                     動きが全く取れないと云う不満がありました。
         また、いろいろなエレアコを試したが、鳴りが細く、全くアコースティック感が体感として伝わって来ない。
         要は、そのような相談からスタートしたプロジェクトだったのです。
   
Q7      でも、よく鳴るとハウリングが起こり易いのではないのですか?

A7       それは誤解ですね。

                    詳しく説明すると大変ですから省略しますが、ギターがよく鳴り、

                   そしてピックアップからの出力が高ければ、ハウリングは起こり難いんですよ。

 

Q8      よく鳴るギターから出る音と精度の高いピックアップの組み合わせれば最強じゃないですか。
       音の太さ、クッキリとした輪郭、音の粒立ち、そして自然な響きがあるのでしょう?

A8      はい、その通りです。殆ど、ノー・エフェクターで大丈夫です。

                   会場に合わせての補正で充分です。
       もちろん、曲調によってエフェクト処理はして下さい。

                   ループ回路も装備していますから。

 

Q9       あと何か特色はありますか?

A9       そうですね。ピックアップの装着の工夫で3種類の音をセレクトできます。

                    No.1はスウィート・スポット、No.2はギブソン・スポット、そしてNo.3はマーチン・スポット。
       そのように呼んでいます。ブルーグラスからウエストコースト・サウンドまで楽しめるセレクターです。

                    一つの遊び心かな。
        無論、このセレクターは単なる遊び心だけではなく、

                    音場の状況にアダプト出来易くする為の装置でもあります。

 

Q10      ピックアップはピエゾのみですか?

A10      いいえ、殆ど判らないでしょうが、マグネット・ピックアップも装備されていますよ。

                    10グラムくらいなので、ギターへの影響は皆無です。
        音の輪郭補正に役立っていますが、単体でも充分に使える性能は持っています。

                    大変な優れものですよ。

 

Q11            今、試し弾きは可能でしょうか?

A11         大丈夫ですよ!是非弾いてみて下さい。

 

Q12        えっ、これって7ピン・キャノンですか? 

                    スピーカーが目の前にあって正対していますね。

                    本当にハウリングは大丈夫ですか?

A12     大丈夫ですよ。弾き続けて下さい。音量を上げて行きますから。

                     ミキサーもプリアンプも全てフラットな状態です。

 

Q13  物凄く自然です。

                    生ギターの音がそのままスピーカーから聴こえて来ますね。

                    それに凄い音量ですが、全くハウりません。
           このセレクター、面白いなぁ。

                    アナログでここまで音が変わるんですね。遊べますよ、これ。

                    歌のバッキングなんか、最高じゃないですか。
           バンドの中でも十分に使えますね。

                    いやはや、とんでもないエレアコです。

                    驚きです!でも、高いんだろうな、、、

A13     これはギターとピックアップ装置が一体となっているシステム・マシーンです。

                    安くはないけれど、十分な価値はあると思いますよ。
        よく鳴るギター、ハードケース、そしてプリアンプを含めたピックアップを装備して

                    価格は66万円(税抜き)ですから、逆に言えば無茶苦茶安いと言えますが、
        如何でしょうか?

 

Q14     弾けば納得ですね。

                    この鳴りはアコースティックとしてはそんじょそこらのギターと比べても遥かに上を行っています。

                    それに電気を通した時のこの鳴りを体感したら、「参った」の一言です。

                    いい体験をしました。本当にありがとうございました。

A14        こちらこそ、ありがとうございました。